M-1グランプリで優勝・売れたい芸人の必読書になりうる本「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」

漫才コンビ「ナイツ」の塙さんによる著作。お笑いに詳しい人なら、タイトルを見て疑問に思うはず。「あれ?関東芸人もM-1で優勝したことあるでしょ?」と。

彼が言いたいのはそういうことではないのです。まず、「M-1というものがなんなのか」そこから始まっています。

「言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」を紹介させてください。

塙さんが言っている「漫才」とは何か

「M-1」の「M」は、「漫才のM」です。つまり「M-1チャンピオン」は漫才の全国チャンピオンだと言えます。

一般的にイメージされる漫才は、「ボケ」と「ツッコミ」のコンビで繰り広げられる漫才です。ナイツは塙さんがボケで、土屋さんがツッコミですね。

ちょっとでもお笑いに詳しい人なら、「しゃべくり漫才」「コント漫才」という種類があることもご存知でしょう。「しゃべくり漫才」はその名の通り、喋りながらボケて、ツッコンでの漫才です。最もスタンダードな漫才だと言えそうです。

「コント漫才」は、途中で設定が入ってコント調で漫才をする形ですね。僕の中で印象が強いコント漫才をする芸人はサンドウィッチマンですね。

よく考えてみると、「しゃべくり漫才」は関西人がするイメージが強くて、「コント漫才」は関東人がしているイメージがあります。塙さんが指摘するまで、そこまで考えたこともなかったです。

塙さんは、本来の漫才を「関西芸人のするしゃべくり漫才」だと考えています。この前提だと、M-1で優勝した関東芸人はいません。だからこそ、「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」というタイトルになっているのです。

「関西人同士の会話は漫才になっている」なんて話、一度は聞いたことがありますよね?何度か大阪に遊びに行ったことがありまして、確認してきました。

当たり前の話なんですけれど漫才にはなっていませんが、会話は面白いです。独特の間があるというか、テンポがいいというか、聞いていて楽しくて気持ちいいのです。仲の良い者同士なのか、たまに漫才口調の人もいましたが、数としては多くはありません。

ただし、当たり前の話ではありますが、「しゃべくり漫才は関西人」と言われると「そうだよな」と納得するものがあります。

塙さんが考える「M-1」とは何なのか

本著で塙さんは「M-1とはなんなのか?」も解説されています。塙さんはナイツとして出場していますし、審査員としてもM-1に関わっています。だからこその視点もあり、非常に興味深いものになっています。

「お笑いの技術」についても、過去のM-1優勝コンビを例に出して語られています。もちろん、「自身のお笑い論」についても。僕は芸人を目指しているわけでもないのですが、深掘りしてみると新しい発見もあり面白かったです。

型にはまっている漫才は評価されなくなるのか

ナイツの漫才は好きです。「ヤホー漫才」とも言われますが、型がしっかりとしている漫才でM-1を勝ちきるのは難しいそうです。それは、審査員から「いつもと同じ」と判断されるからなのでしょうか。展開が予想できてしまうのは、M-1で優勝するためには重荷になってしまうのかもしれませんね。

よく考えてみるとハライチもそうですね。「ノリボケ」という新しい型は評価を受けましたし、とても面白くはあるのですが、出場を重ねるにつれて審査員の評価が厳しくなっていったような気がします。

両コンビとも面白い漫才師なのは間違いありませんし、僕は好きなのですが、何度も決勝に進んでいるのに優勝できない理由はそこにありそうです。観客がどれだけ笑っていても、審査員の点数が低ければどうしようもありません。そこは、M-1を視聴しているお客さんも、なんとなくわかっていることではありそうですよね?僕もそうです。

「M-1優勝を目指す必要はない」と語る塙さん

「型にはまっている漫才」が影響しているのか、「通用するのは2度目まで」と考えてM-1に出場しなくなったコンビもいるようです。オードリーがそうですね。

オードリーのM-1決勝の漫才は今でもよく見ます。「2本目のネタ、なんでアレだったんだよ!」と周りからよく言われたそうですが、あの勢いと春日さんの「スター」っぽさ、噛んでも面白いという素晴らしさ。過去の苦労話はよく知っているので、爆笑を浴びたシーンでは僕まで感動してしまいます。

南海キャンディーズ、オードリー、キングコングという有名どころの同期と並ぶナイツ。M-1で優勝していなくても、面白い芸人さんはたくさんいますし、売れている芸人さんもたくさんいます。

「M-1優勝」にこだわる必要はなさそうですが、それでも「日本一の漫才師」という称号は、芸人さんにとってはとてつもなく大きなものなのでしょう。そんな「M-1」の恐怖についても語られています。

M-1を見るのがもっと面白くなる一冊

「言い訳」というタイトルは、M-1で優勝できなかった言い訳にもなっているそうです。塙さんらしいような気もします(笑)

芸人さんの著書はエッセイがほとんどですが、本著はジャンルが違いますね。「M-1論」「お笑い論」が書かれていると言えばいいのでしょうか。

これからお笑い芸人を目指す人、目指している人にとって、ためになる内容が盛りだくさんです。M-1の数だけドラマもあるのでしょうか。僕のような「お笑い好きの人」にとっても面白い内容でした。

テレビはほとんど観なくなりましたが、M-1だけは毎年欠かさずリアルタイムで観ています。本著に書かれていることを思い出しながら、今後も観続けます。

こんな人に読んでもらいたい

  • お笑い芸人を目指している方
  • M1グランプリの採点に納得できない方

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