日本人は知っておいたほうがいい?「教養としてのヤクザ 溝口敦・鈴木智彦」紹介

「知らなくてもいい」と言われればそれまでですが、やはり気になってしまうアンダーグラウンドの世界。「ヤクザの世界」もその一つで、「闇」があるなら覗いてみたいと思うのが人間という生き物です。

溝口敦さんと言えば、ヤクザ関係に詳しいジャーナリストとして有名です。氏が書いた本でもあり、「教養としてのヤクザ」というタイトルだったものですから興味本位から手に取ってみました。

本著は溝口敦さんと、鈴木智彦の対談形式で構成されています。アンダーグラウンドの世界を覗いてみましょう。

タピオカ屋は資金源になっている?食品業界に食い込むヤクザ

年々ヤクザの力は弱くなってきているようで、思っているよりは様々な業界に食い込み資金源を探しているようです。その一つが食品業界です。

皆さんご存知のタピオカドリンク。こちらにヤクザは絡んでいます。原価が非常に安いようで、とても儲かるのだとか。

こちらの第一生命のレポートによると、原価率は10〜30%!東京にタピオカミルクティーのお店が乱立していた理由もわかります。

タピオカティー
wikipedia「タピオカティー」より

あなたが普段買っているタピオカミルクティーのお店は、もしかしたらヤクザのフロント企業なのかもしれません(笑)

希少なお肉を売っているのは「もしかしたら」

タピオカに関しては「儲かりそうだから」という理由でやっているだけなので、何も悪くはありません。問題は他の商売です。食肉業界や漁業にも彼らは食い込んでいます。普段から口にしている肉や魚は関係なさそうですが、希少な肉だと「もしかしたら」なんてこともありそうです。

ただ、本書を読み進めていると、昔と比べて「彼らも働いてはいるのだな」とイメージは変わりました。

ヤクザは本業の「暴力」以外に副業をしている

徐々に副業が認められるようになってきた日本社会ですが、ヤクザも副業をしています。その一つがまさかの「スタンプ」だそうです。

どんなものかというと、両足を広げて頭を下げる姿や指つめなど、ヤクザ系のスタンプなんだそうです。ちょっと「可愛いな」なんて思ってしまいました。なにやら逮捕されていますけど。

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www.sankei.com

副業どころか本業ができない状態

ヤクザの副業と言えば、他は「輸入が禁止されている動物の密輸入」「野球賭博の開帳」など。なんとなくイメージしていたものとピッタリですね。

なお、彼らの本業は「暴力」ですが、法律が厳しくなって何もできない状態。その影響なのか、半グレ連中が好き放題をしているのが問題になっています。なんとかしてほしいものです。

ヤクザも嬉しいオリンピックの開催

コロナの影響で怪しくなっていますが、ヤクザでもオリンピックには期待しているようです。経済効果が高いのは皆さんご存知のとおり、一般企業に恩恵があります。

オリンピックのために新しい箱物の建設が始まるので、建築業界は儲かります。人手が足りなければ、ヤクザの手も借りるそうです。結果、オリンピックはヤクザにも恩恵があるようです。なんとなくイメージがつきますね。

言っておきますと、僕は建築業界に「ヤクザ的なイメージ」を持っているわけではなく、力仕事ならヤクザも働くイメージがあるというだけでなので、誤解なきようお願いします。

チケット転売から違法民泊

チケットの転売、いわゆるダフ屋をやっているヤクザもいたり、外国人観光客を取り込むために民泊をやったり。商売上手なヤクザもいそうです。違法だったり、グレーゾーンには彼らが絡んでいたりするのでしょう。

スポーツ業界にも絡むヤクザ

ボクシング協会のある方が、ヤクザとの関係性で世間が大騒ぎした事件もありました。彼らがスポーツ関係、特に武道・格闘技系の競技関係者とのつながりが深い理由は、ご想像にお任せしますが、大体はご想像通りみたいです。詳しくは本書をお読みください。

組織票を持っている?ヤクザと政治家の関係性

ヤクザは暴力団。「団」と呼ばれるぐらいなので人数は多く、彼らにだって選挙権はあるので組織票になります。政治家とつながりがあっても何の不思議もありません。

選挙

今はちょっとでも一緒に写真に写っているだけでも大騒ぎになる時代なので、ヤクザと政治家の付き合いはだいぶ減っていそうですが、古い政治家なんて、そのものがヤクザに見えたりもしますけどね。

僕の友人が某大物政治家の運転手をしていましたが、「あんなもん、ヤクザと一緒」だと言ってました。まともな政治家もいるんでしょうけれど、その政治家はイメージ通りだったので笑ってしまいました(笑)

お金の受け渡しというか、組織票を買っていた政治家もいたそうですが、国会議員レベルだともういないっぽいですね。でも、地方ならまだそんなことが行われているのだとか。

教育・大学にも食い込むヤクザ

「教育とヤクザ」の章は、タイトルだけではイメージは湧かなかったのですが、医学部の教授と医者ならつながりがあってもおかしくなさそうです。

撃ち合いをして怪我をしても、警察を呼ばれるので病院へは行けませんが、仲良くしている医者なら隠れて治療してくれそうですからね。その分だけ高額の報酬を支払う。こうなると、お互いに美味しいわけです。

なお、最近では大卒のヤクザが増えているのだとか。時代でしょうか。

一般人よりもヤクザは法律に詳しい

暴対法が改正されたからか、自分たちの身を守るためなのか、ヤクザは法律に詳しいようです。末端の構成員はわかりませんが、幹部クラス以上なら自分たちに関わっている法律は勉強しているのでしょうか。

お金があれば顧問弁護士でも雇えば良さそうなものですが、弁護士にだって世間体はありますし、ヤクザも最近ではお金がなく厳しいのでしょう。だったら勉強するしかありませんね。

なお、勉強会やセミナーには積極的に参加しているそうです。

ヤクザとメディア・芸能界の関係性

ここ最近もニュースがありましたね。芸能人と半グレのニュースが。そう、あれは半グレでヤクザではありません。

なんとなくですが、芸人を呼んで宴会をしたり、芸能界とヤクザって繋がりが強いイメージがあります。実際にそういう営業もあるようですし。

でも、彼らはナーバスになっていて「絶対に写真は撮るな」と構成員に厳戒態勢を敷くそうです。メデイアで騒がれたら、自分たちも芸人にもマイナスにしかならないですからね。なんだか、しっかりした人もいるのだなあと、妙に感心してしまいました。

でも、彼らだけでは管理できず、お店の人がスマホで写真を撮ってSNSでアップしたりと、営業で行っただけなのに晒されては叩かれてと、悲惨な目にあっている芸人もいそうです。それって、事務所も悪いのでは?と思ってしまいます。

アンダーグラウンドの世界を知っておこう

「教養としてのヤクザ」をざっくりと説明してきましたが、さらに詳しく知りたい方は本書をお読みください。いまでは引退してしまった某大物芸人の事件や、北朝鮮関係、今後の暴力団についての考察も書かれています。

お二人の対談は面白くもあり、恐ろしい会話をしている場面もありますが、なるほど。確かに「教養としてのヤクザ」でした。僕の中では「半グレの方がよほどたちが悪い」という感想です。

「商才のあるヤクザ」は更生して真っ当に生きて、それこそ「教養のあるヤクザ(元)」になって欲しいものです。