宇宙はどうやって誕生したのか?ビッグバンによって生まれたのは本当か?「宇宙創成 サイモン・シン」を紹介

宇宙創成

「宇宙はどうやって生まれたのか?」誰だって一度ぐらいは考えたことがありますよね?特に習ったわけでもないのに、「なんか、すんごい爆発があって、そっから生まれたんでしょ?」ぐらいのことなら誰でも知っていますし、「ビッグバンがあったからだよ」ぐらいのことも知っている人はたくさんいるはずです。

僕は後者の方ですが、「ビッグバン」という言葉を知っているだけで、「宇宙がどうやって生まれたかなんて、言ったもん勝ちなんじゃないの?」だけならともかく、「天文学者なんて楽だね~。いい加減なこと言うだけでお金が入ってくるんだから」ぐらいのことを言っていました。

世の中の天文学者の皆様、申し訳ございませんでした。サイモン・シン4部作の一つ、「ビッグバン宇宙論」の改題作「宇宙創成」を読んだことにより、考え方はかなり変わりました。「ビッグバンによって宇宙が生まれた」という理論は、先人たちが科学的根拠を持って生み出されたものだったのです。

名作「宇宙創成」を紹介させてください。

地球の形を数学で証明する天才たち

遠い過去・紀元前は「地球は平地である」という考え方が主流だったのは、なんとなく知っていました。でも、一部の「頭のいい方々」が空に浮かぶ月は丸く、映っている影も丸い。ただそれだけのことから「実は地球って丸いんじゃね?」と仮説を立てて、「地球は丸い」という証明を始めました。

過去にも天才はたくさんいたようで、数学を使って「地球は丸い」ことを証明していたのです。

地球

「地球は丸い」と仮定すると、誰もが疑問に思うこと。それは「丸かったら南半球の人は落ちるんじゃね?」ということです。そこで偉人たちが考えたのは「宇宙には中心があり、そこに引き寄せられる。地球にも中心があり、引き寄せられる」という解決策です。遠い過去の人物が「重力の存在」をすでに仄めかしていたのです。

地球上から「地球の大きさ」「天体の大きさ」を測る天才たち

今まで名前も知らないような天才たちが本著にはたくさん登場します。紀元前ですでに地球の大きさを測っていたエラトステネスもその1人です。もちろん、定規なんてないですよ?あったところで測れないんですけどね。

彼が利用したのは一本の棒です。どうやって測ったのかは、ご自身でお調べください(笑)

なお、彼が導き出した地球の円周と、実際の円周の誤差はわずか2%!数学って本当にすごいですし、方法を思いついた彼も天才です。

地球の大きさがわかれば、月や太陽の大きさ、そこまでの距離までわかるそうで全てを導き出しました。すごいとしか言いようがないです。

地動説を唱えるコペルニクスは「つまはじき者」だった

長い間、「地球は宇宙の中心にある」と考えられていました。現代の常識でもある「地球は太陽の周りを回っている」なんて言おうものなら「つまはじき者」になる勢いの中、コペルニクスの登場です。

「回転について」の本が公刊され任務は全うできたのですが、自身の本を一目見ただけで亡くなってしまい、しかも彼の意見は無視されました、なぜならコペルニクスは無名だったからです。

「正しい意見」だとしても、無名の人の意見は聞き入れられず、デタラメことを言っているのに有名な人の意見なら聞き入れられる。これは今の時代も変わっていませんね。

望遠鏡を発明したガリレオ・ガリレイ

皆さんご存知のガリレオ・ガリレイ。望遠鏡を作ったのは彼だと知っていましたか?僕は初めて知りました。最初は天体を観察するものではなかったそうですが、光学に詳しかった彼は改造を施して夜空に向けました。すると、はっきりと宇宙が見えたのです。さぞや感動したでしょうね。

月を観察して素描したり、太陽の黒点や木星の衛星まで発見したり。この発見が、「地球は太陽を中心にして回っている」という事実に近づいていきます。

しかし、簡単にはいきません。地球が宇宙の中心だという「地球中心説」と「太陽中心説」の2論で揉めに揉めて、「地球中心説」が大多数。ガリレオは幽閉されてしまいます。しかも、研究のために太陽を見つめ続けたのが原因なのか、緑内障のために視力を失ったという。こんなに悲しい話があるでしょうか。

光の速度を測定したオーレ・レーマー

オーレ・レーマーは木星の衛星・イオを観察することによって、光の速度は秒速30万キロメートルだと導き出しました。なんと、1670年代のお話です。天才の頭の中はどうなっているのでしょうか?天体を観測することで光の速度を測るなんて。凡人の僕にはさっぱりわかりません。

ちなみに、光の速度は299792458(m/s)で誤差の範囲内です。歴史を紐解いてみると、偉大な天才がたくさん存在していたことに驚きますし、彼らの存在が現在の科学技術に貢献していることを考えてみると、感謝せざるを得ません。

宇宙の研究にアインシュタインは邪魔者だった?

みなさんご存知のアインシュタインの登場です。相対性理論ではおなじみですが、宇宙の研究に関連しているとは知りませんでした。僕が無知なだけかもしれませんが。

彼はニュートンよりも優れた重力理論を作り上げ、宇宙全体を調べ始めました。彼の理論によれば、宇宙は静的であると。一方で、フリードマンとルメートルが「宇宙は膨張しているのかもしれない」という案を出してビッグバン・モデルが生まれたのですが無視されたのでした。

光が射し始めたビッグバンモデル

望遠鏡を駆使し、様々な発見をしていく科学者たち。人類が住む星の集団そのものを「天の川銀河」と呼ぶまで時間はかかりませんでした。一般的には「銀河系」と呼ばれてますね。七夕で見られる天の川は、僕たちが住んでいる銀河の一部分だけで、その銀河の中に僕たちは住んでいます。なんだか不思議ですね。

天の川

光の速度や視差で星までの距離を測ったり、光の色で温度を測ったり。論争の結果、「宇宙は銀河に満ちている」とされたり。天文学者もすごいですし、どうしてそんな方法が思いつくのかなど色々ありますが、宇宙のスケールが大きすぎて途方もなさそうなのに、宇宙の真理を突き止めようとする学者たちの熱量もすごいです。

そして銀河の移動から、「宇宙は膨張しているのではないか?」という考えの元、ビッグバン・モデルに光が射すようになります。

宇宙の謎を解き明かしていく科学者たちの熱いドラマ

本書では、「ビッグバンによって宇宙が生まれた」という理論が生まれるまでの経緯、そこに行き着くまでの科学者や偉人、彼らの努力や論争。自身の一生を燃え尽くすぐらいの情熱を注いだ研究の結果が記されおり、最終的には「ビッグバン・モデルは正しい」とまで導かれています。

もちろん、全てが解決しているわけではありません。まだまだ宇宙は謎だらけ。「宇宙の外には何がある?」「その外には何がある?」と考え始めるとキリがありません。でも、ロマンはあります。本著がきっかけで、宇宙についてのYoutubeチャンネルをいくつか登録しました。お勧めをいくつか紹介しておきます。

チャンネル:トップランキング Science
チャンネル:宇宙ヤバイch

何か悩んでいるときに見てみると、「自分の悩みなんて、ほんと小さいな」とどうでも良くなる動画がたくさんあります。

サイモン・シンの著作の中で、本書は数式が出てきたりとちょっと難しい部分もありましたが、覚えなくても大丈夫です。むしろ、難しい話をここまでわかりやすく、しかもドラマティックに書ける人は、世の中にどれぐらいいるのでしょうか?フェルマーの最終定理もそうでしたが、よくここまで書けるなあと毎度感心しています。

「ビッグバン?何言ってるの?バカじゃないの?」

このように、僕と同じことを言っていた方は「宇宙創成」をどうぞ手にお取りください。