日本SF小説の金字塔「銀河英雄伝説 田中芳樹」を紹介

銀河英雄伝説

アニメを先に知ってから原作漫画にハマることはよくありましたが、原作小説にハマることはありませんでした。よく通っていたバーのマスターにオススメされたアニメ。それが銀河英雄伝説だったのです。

DVDボックスを渡されて確認してみたところ、話数は100を超えていることにびっくりして「そんなの見れないよ」と断ろうとしたのですが、「大丈夫。お前ならハマる」と言われて見たところ、面白くて寝不足になりました(笑)原作も読んでみると、こちらはこちらで面白いという。僕はアニメが先だったので、有名声優さんたちの声でセリフが再生されてさらに楽しめました。

そんな年代・時代は関係なく誰でも楽しめる銀河英雄伝説を紹介させてください。

「日本SF小説の金字塔」銀河英雄伝説とは

ファンから「銀英伝」の名前で親しまれている本作は、「日本SF小説の金字塔」と言っても大げさではないほどに名作です。アニメ化されているのはもちろん、トリビュート作品や漫画化も複数されています。

内容は独裁政権の「銀河帝国」と、民主主義国の「自由惑星同盟」との戦争の物語です。

美しい戦略・戦術によって勝利をおさめていく天才たち

銀河英雄伝説は主に戦争シーンが多く描かれており、戦略や戦術もわかりやすく説明されています。ラインハルトもヤン・ウェンリーも階級は上の方なのに、自ら先陣に立って陣頭指揮をとるタイプ。だからこそ周りもついてきてくれるのですが、理由はそれだけではありません。両者ともに戦争が上手なのです。

ラインハルトは王道的な手法をとりつつも、凡人には思いつかない戦略や戦術を取ることが多々あります。そして最後には「美しく勝つ」というイメージですね。

ヤン・ウェンリーは「楽をして勝つ」というイメージです。可能な限り犠牲も出さず、しかも経費もかけずに戦うこともできます。

まだ出会ったのことのない2人は、お互いの存在を認めて意識しています。国同士では戦う理由はあれど、個人同士では戦う理由はありません。初期の頃からあった「会ってみたいものだ」という感情は、徐々に募っていきます。

どちらの政治形態が優れているのかもテーマになっている

主に戦争の描写が多い作品ですが、政治的な描写もたくさんあります。

帝国軍は皇帝によって統治され続けてきた星。国民が選挙で選んできたトップではなく、独裁によって継承されてきたトップなら腐敗があってもおかしくはありません。

物語では皇帝や周りの貴族たちが好き勝手にしていますが、優秀なトップなら国のため、国民のために動いてくれます。権限が一局に集中していると、動きも早いです。「独裁」と聞くと僕たち民主主義国の国民は悪いイメージを持ってしまいますが、実は独裁そのものは悪いものではないと気付かされます。

一方で、民主主義国ならトップは国民が選びます。「ダメだったら変えたらいい」と簡単に考える人もいますが、選ぶ人間がダメなら、いつまでたってもトップもダメです。そうして国体が腐っていくわけですが、「腐りきった民主主義国家」と「優秀なトップが仕切る独裁体制」がどちらの方がいいのか。銀英伝は戦争メインの作品ですが、「優れた政治形態とは」を考えさせられる作品でもあるのです。

作中、こんな一言がありました。「民主主義の政治体系で、民衆が独裁者を望んだら?」考えさせられますね。ちなみに僕は、独裁制を求めているのではありません。民主主義者ですし、自由に生きたいです。もちろん、法に定められた範囲内の自由ですけどね。

2人の主人公を中心に進んでいく物語

銀河英雄伝説は主に、2人の主人公を中心として話が進んでいきます。

戦争の天才・ラインハルト

皇帝による独裁によって統治されている銀河帝国は惑星オーディンにあり、主人公の一人であるラインハルトは中将として名を馳せ、「宇宙を手に入れる」という野望を持っています。

彼は誰もが見惚れるほどの美貌を持っており、戦争の天才でもあります。性格は攻撃的ではありますが人望は厚く、彼の周りには優秀な部下が集まります。

貴族の出身なのに、彼は貧しい家庭で育ってきたこともあり、昇進していくのが気にくわない上級貴族たち。政治的な醜い争いが後を絶えません。どこの世界でも歴史を紐解いてみると、貴族たちの妬みや僻みは醜いものです。

ラインハルトは物語の主人公。当然、彼らとも戦うことになっていくのですが、どうなっていくのかも見所です。

魔術師ヤン・ウェンリー

帝国と敵対する自由惑星同盟。こちらの主人公はヤン・ウェンリーです。彼も戦争に関しては天才的なのですが、さっさと退役して歴史書に埋もれた生活をしたいと望んでいます。

そもそも軍人を志望していなかった彼は、お金のない家庭で育ったため、歴史も学べてお金もかからないからという理由で士官学校に入学。そんな人物なので評価は低かったのですが、頭脳はあるのに働いていないだけで、惑星エルファシルに於いて民間人を300万人救出し、「エルファシルの英雄」と呼ばれるぐらいに大きな評価を得ました。

本人がそう呼ばれることを望んでいたかどうかは、別の話。あまり働きたくもないようで、「給料分は働く」が口癖です。おかげで僕も、会社でよく使う言葉になってしまいました。

彼はラインハルトのライバルとなり戦って行くことになります。

ラインハルトを支えてくれる人物たち

優秀な指揮官の周りには、優秀な部下も集まります。いや、銀英伝ファンの中でラインハルトは「人材コレクター」と呼ばれているのですから、彼が集めているのでしょう。

こちらでは主要な人物を紹介します。

優秀な部下・親友でもあるキルヒアイス

「宇宙を手に入れる」という夢のための奔走するラインハルトの側には、常に親友のキルヒアイスがいます。彼はラインハルトと遜色ないレベルで優秀、いや、人格的な問題を考えてみると、彼のほうが上なのかもしれません。常にラインハルトを立ててきた彼なので、もしかしたら抑えていた部分があったのかもしれません。

人格者でもある疾風ウォルフことミッターマイヤー

軍艦運用が早いため、疾風ウォルフの異名を持つミッターマイヤーは、いかにもな好青年です。彼を嫌うような人はいないだろうと言えるほどに、真っ当な人間でもあります。部下に対しては檄も飛ばしたりと恐い部分もありますが、可愛いプロポーズシーンは必見でしょうか(笑)

銀河帝国軍の双璧をなすロイエンタール

ミッターマイヤーと双璧をなすロイエンタール。性格はかなり違う二人ですが、馬が合うのか親友です。ミッターマイヤーとは変わって彼は色男。いかにも女性からモテそうな容姿をしていて、実際にモテます。ロイエンタールの大バカ野郎!

もしかしたら、ラインハルトと同じぐらいに戦争の天才なのかもしれません。

冷徹でも有能な参謀・オーベルシュタイン

オーベルシュタインの存在は忘れてはなりません。彼はラインハルトの参謀として活躍する人物で常に正しい選択をしますが、かなり冷酷でもあります。そのため、参謀としての評価は高いのですが、人物としての評判は非常に悪く、彼の悪口を叩くものはたくさんいます。

でも最後まで読んでみると、オーベルシュタインに対する評価は変わるはずです。

猪突猛進がモットーなビッテンフェルト

個人的に好きなのがビッテンフェルトです。猪突猛進な性格で、彼の運用している軍隊も猪突猛進。時には失敗もするが、何かしらの戦果を残すのが彼の特徴でもあります。

彼の家訓「人を褒めるときは大きな声で、悪口を言うときにはより大きな声で」が大好きです。

ヤン・ウェンリーを支えてくれる人物たち

お次は同盟軍のヤンウェンリー。銀河帝国とは政治形態が違うので、そこまでの人事権は持っていないようですが、優秀な部下もいます。

伊達と酔狂が信念のアッテンボロー

ヤン・ウェンリーの後輩アッテンボローは「伊達と酔狂」が信念です。彼もヤンと同じくやる気があるかどうかわかりませんが、得意技は「逃げたフリ」で、大きな戦力になっているのは間違いありません。

白兵戦なら最高を誇るシェーンコップ

銀河帝国から亡命してきたワルター・フォン・シェーンコップは、白兵戦で最強の名前を誇るローゼンリッターの隊長です。中年の色男で屈強な男性で負けたことなし。彼は腐り切った同盟政府を危惧しており、たびたび危険な発言も飛び出します。

戦闘機を自由に操るポプラン

色男という点は負けていられないポプラン。ある意味ではライバルになるシェーンコップとはよく口論をします。戦闘機乗りのエースパイロットで、同盟軍を勝利に導く仕事をこなしてくれます。

ヤン・ウェンリー後継者候補のユリアン・ミンツ

ヤン・ウェンリーが預かっている戦争孤児のユリアン・ミンツ。ヤンに憧れや尊敬を持っていて、頭もいいですし、まだ10代ということで周りからは可愛がられます。ヤンとは違って白兵戦や銃の腕もよく、戦闘機にものります。保護者とは真逆の優等生です。

ヤンがいない重要な局面では大活躍することもあり、ヤンの後継者とも呼ばれています。

他にも重要人物はたくさんいますが、これぐらいにしておきます。なお、彼らは口が非常に悪いので、会話を楽しんでください。

アニメ版の銀河英雄伝説は「銀河声優伝説」でもある

原作小説も人気の銀河英雄伝説ですが、アニメ版も人気です。音楽は往年のクラシックを使用していて、盛り上がりもすごいのですが、何よりも声優陣が豪華!誰もが「聞いたことある!」なんて声がたくさん聞こえてきます。ちょっぴり紹介しましょう。

ラインハルト ─ 堀川亮

ロイエンタール ─ 若本規夫

オーベルシュタイン ─ 塩沢兼人

ヤン・ウェンリー ─ 富山敬

バグダッシュ ─ 神谷明

カリン ─ 三石琴乃

このように、一部だけでも有名な声優さん揃いなので、銀河英雄伝説は「銀河声優伝説」と呼ばれることもあります。

次回予告だけは絶対に見てはいけない

アニメ版を見る際の注意点があります。次回予告は絶対に見ないでください!ぜ・っ・た・い・に!です!

アニメ版ドラゴンボールのタイトルばりのネタバレ予告があり、リアルタイムで視聴していた人は軽くトラウマになっていたそうです。それぐらいに強烈なので、しつこいようですが次回予告を見てはいけません!これは「フリ」ではありません。絶対に見てはいけません。

将来まで語り継がれていくSF小説を

メインは戦争の描写ですが、政治的な闘争もあり、一人一人のキャラが濃いので、彼らの会話も全て楽しめる小説・銀河英雄伝説。10年以上も前の作品ながら、若い人から年配の方まで楽しめるSF小説です。番外編もリリースされているので、本編を読んだ後にどうぞ。

漫画の方もリリースされていますし、旧アニメも新アニメも配信されています。気になる方はチェックしてみましょう。