経営者必読の書「イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン」を紹介

イノベーションのジレンマ

ハーバードビジネススクール教授・クレイトン・クリステンセン著。1年ほどで新しい技術が生まれてはイノベーションが生まれている現代。経営学を学びたいなら、必読の書とも言えます。

本著は主に、ディスクドライブの歴史をもとにして、どのようにしてイノベーションに対応していくか、また、新興企業がイノベーション技術でどう戦っていくかが説明されています。

しっかりとした経営学はわからない僕にもわかりやすく書かれており、すでに大企業で勤めている経営陣だけではなく、これから起業しようと考えている若い人たちにも読んでほしい内容になっています。

本書「イノベーションのジレンマ」を紹介させてください。

目まぐるしい進化を遂げるディスクドライブ

本書を読むまで気づかなかったのですが、よく考えてみるとディスクドライブは目まぐるしい進化を遂げています。

ハードディスク

僕が初めて触ったパソコンのハードディスクなんて、容量は数ギガバイト程度だったはずです。今こうして文章を書いているパソコンは、256ギガバイトのSSDです。外付けのハードディスクに関しては3テラバイトのものを数台持っています。

数年前までは100ギガ程度でも数万円もしていたのに、今では「100ギガってw」と笑われるような容量です。

USBメモリーも少し前までは数十ギガで数千円はしていたのに、今では100ギガでも容量に不安を覚えるぐらいです。SSDも安くなってきていますし、僕が知らない間に価格競争や容量アップ、読み込みや書き込みスピードのアップなどなど、ディスクドライブメーカーは戦っていたのです。

性能を高める「持続的イノベーション」ばかりをしてきた優良企業

ディスクドライブメーカーは容量を増やしたり、読み書きのスピードを速くしたりと改良を施していきます。性能を高めて利益率を高める持続的イノベーションを行ってきたのです。これは簡単なことではなりません。長年培ってきた技術があるからこそ、できることなのかもしれません。

性能は落ちるが小型化という「破壊的イノベーション」を進めた企業

性能を高めようとすると大型化するディスクドライブを作る企業が多い中、性能を落としてでも小型化を進めるという「破壊的イノベーション」を進める企業も現れました。ノートパソコンメーカーからの需要が増え、既存の優良企業が追いやられることになります。

「小さな市場」は見ていない大企業

経営学を勉強してきて、大企業を経営している方なら大きな市場に注目し、すでに獲得している顧客の要望にできるだけ応えようとします。新しい市場が見えても、小さければ何もしないのが普通です。ただし、これでは破壊的イノベーションには対抗できないと本書では述べています。

大企業の経営者にはわからない理論

僕は多少なりとも経営学は学んできたつもりでしたが、クレイトン・クリステンセン氏は序盤でびっくりする理論を述べています。どのような理論なのかは言えませんが、「そんなバカな。それでうまくいくはずがない」と感じたものの、読み進めるにつれて納得のいく理論だと感じました。

おそらく、有名な企業で働いている経営陣ほど「理解不能な理論」かもしれませんが、ディスクドライブ業界の歴史を紐解いてみると、見えてくるものがあります。

破壊的イノベーションに備える・戦うための書

本書に書かれていることは、全ての業界に共通することではないため、クレイトン・クリステンセン氏の理論が全て正しいとは言えないのですが、経営のベースとしての部分はどの業界だって同じはず。だからこそ、本書を読んでみると、今後脅威になるであろう破壊的イノベーションに備えることはできるでしょうし、破壊的なイノベーション技術を持っている企業も戦い方が見えてくるでしょう。

ハーバードビジネススクールの授業が2000円で受けることができるこちらの本書、ぜひ手にお取りください。

経営者の方へ「守り」ばかりではなく「攻め」も考えてほしい

本書を読んで思ったことを書かせていただきます。

今では大きな企業でも、最初は小さな新興企業だったはずです。マイナーアップデートなどの持続的イノベーションは続けていますが、大きな顧客しか見えなくなり、小さな需要が大きくなることは考えていないのかもしれません。でも、過去に大企業と戦うために、破壊的イノベーションを武器にして戦ってきたはずです。

日本の大企業が海外の企業に買収されたり、都市部のガラガラになっている百貨店を見たり。地方なら商店街がシャッター街になっていたりなど、寂しいニュースや風景を見ることが増えました。これは、新興企業にやられているのもあれば、時代の変化について行かなかった結果なのではないかと感じています。

すでにいる顧客が大事なのはわかります。独占的な商売をしているのなら、しばらくは安泰でしょう。企業によっては敵なしの状態。ブルーオーシャンで悠々自適に過ごしているのかもしれませんが、時代は変わります。新しい技術が生まれると、ビジネスに生かそうとする若者は絶対に現れます。敵ではないと軽視して、痛い目にあってきた経営者も少なくないはずです。

頭が固くなっていることを自覚してほしい

僕は昔から思っているのですが、歳をとればとるほど思考が固くなってきて、起業時は攻めてきたのに「守り」を重視するようになってきます。

すでにいるお客を保持する、収益を安定させることは大事です。従業員の生活もあるので給料だって払いたいはずです。だからこそ「安定」を目指してマイナーアップデートぐらいのイノベーション技術しか使わないのもわかります。失敗して大赤字を叩き出してしまう可能性の高い破壊的イノベーションを採用するのが恐いのはわかります。しかし、「守り」に集中してしまった結果、新興企業に攻められて大きな損害を被ることになったり、倒産にまで追い込まれることだってあるのです。

若い従業員のことをきちんと見てほしい

若い従業員の中には将来的な目を持っている人もいます。破壊的イノベーション技術を身につけているエンジニアがいてもおかしくありません。経営者は会社を動かすリーダーですが、実際に働いているのは末端の従業員です。できることなら彼らの意見を吸い上げて、もっと若者にチャンスを与えることのできるリーダーがいて欲しいです。

小さな子会社を作って、若い従業員に任せるのもいいじゃないですか。「失敗してもいいから」ぐらいのことを言ってあげれば、全力で頑張ってくれるかもしれません。

イノベーションのジレンマを取っ払い「明るい未来」を

地方から若者が減り、東京に集中しているのは、この「イノベーションのジレンマ」が関係しているのではないかと感じています。「守り」ばかりで生産性もなくなり、仕事も減っていく地方の企業。仕事がなければ東京などの都会に行くしかないのです。

都会の企業の経営者は、子会社を作るのなら若者をトップにして地方でやらせて欲しいのです。リモートワークでできるのなら、東京で働く必要もありませんし、地元なら過ごしやすいだけでなく、彼らも両親とすぐに会えて親孝行もできます。事業が大きくなれば地方に雇用も生まれ、東京へ行く必要も無くなるのです。

地方なら固定費用も減りますし、メリットはたくさんあります。地方に作った子会社が大きくなれば、新しい会社が生まれてもおかしくありませんし、さらに雇用も生まれます。結果的に地方は活性化するのではないでしょうか?

僕の素人考えではありますが、「守り」だけなら企業はいずれ疲弊してしまいます。どうか「攻め」も考えて、イノベーションのジレンマを取っ払って欲しいと思う次第です。