数学者たちの熱いドラマが繰り広げられる「フェルマーの最終定理 サイモン・シン」を紹介

「数学の6大難問」と呼ばれているミレニアム懸賞問題をご存知でしょうか?最も有名なのが、「リーマン予想」なのかもしれません。いまだに解けそうで解けない。そんなヤキモキした状況がずっと続いています。

この他にも難問はあります。ABC予想って聞いことありませんか?証明されていない、解決されていない数学の問題はたくさんあります。

その中の一つがフェルマーの最終定理でした。

そう、過去形でもあるし「定理」になっているということは証明済みの問題ということ。どういった問題なのかというと、ピタゴラスの定理の乗数を3以上にすると、式が成立しないということです。

問題を提起したフェルマーは「証明した」と言いましたが、「それを書くためのページが足りない」と言い残してこの世を去りました。数学者たちは常人では理解できないぐらいに、この手の問題に情熱を燃やします。

本書「フェルマーの最終定理」とは、数学者たちの熱いドラマを描いたドキュメンタリー小説です。紹介させてください。

フェルマーの残したメモから始まった難問

数学者は一日中、年がら年中数学のことを考えているのでしょうか。ピタゴラスの定理の数字を1つ増やしただけで超難問にしてしまうという、そんなこともします。

その人物の名前はピエール・ド・フェルマー。裁判官です。数学についても多くの功績を残しており、彼の残したメモが話題になりました。それがフェルマーの最終定理です。

きっと、数え切れないぐらいの数学者たちがこのフェルマーの最終定理に挑戦しては挫折していったのでしょう。

一見すると簡単そうに見えるフェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理は、一見すると簡単そうな問題に見えます。

xn + yn = zn 

nが3以上になると、この式は成立しないというだけです。

でも、ちょっと考えてください。nに一つずつ数字を入れていって、「これは解がない」とやっていっても、数字は無限にあります。いつまでたっての証明なんてできません。

実際、数多くの数学者が数字を当てはめていって、途方も無い実験をしてきましたが、らちがあきません。そもそも「存在しない」ことを証明することが非常に難しいのです。

多くの数学者が諦めていく中、フェルマーがなくなってから330年という年月を経て、証明することに成功した人物がいました。彼の名はアンドリュー・ワイルズと言います。

フェルマーの最終定理を証明したワイルズ

フェルマーの最終定理を証明したアンドリューワイルズ。彼も苦しい思いをしてこの問題に挑んできました。

10歳でフェルマーの最終定理と出会い、数学の道を進む。きっと、数式に惚れ込んでしまったのでしょう。

彼はケンブリッジ大学を卒業しており、プリンストン大学で教鞭を握っています。それほどに優秀なのに、フェルマーの最終定理に費やした期間は7年間!きっと、問題に取り組んでいる時期は孤独だったと思われます。

難問に挑む数学者たちの孤独

この手の難問に挑んできた数学者は、「多大な時間を費やした結果、証明できなかった」なんてこともあります。自分には証明できないのではないか?この問題はそもそも成立していないのではないか?自分にも疑心暗鬼になったり、時には狂いそうになることだってあるはずです。

そして、「自分なら証明できるはず」と自信も持っています。誰にも協力を望まず、「自分の力で」とも考えます。僕が想像しているよりも、難問に挑んでいる数学者は孤独なのかもしれません。

数学はとても重要な学問です

「そんな目にあってまで証明して何になるのか?」と僕のような人間は考えてしまいますが、実は、彼らのような数学者や偉人のおかげで、世の中は便利になっていることを知った方がいいです。

住居の設計にも数学は使われていますし、天文学にも使われています。エネルギーの計算や車から飛行機、当たり前のように使っているスマートフォンにだって、数学的な知識が使われています。

文系大国日本では、数学が苦手だったり、「意味がない」なんて言う人もいますが、そうではありません。とても大事な学問です。少なくとも、論理的な思考は身につきます。もっと、数学について興味を持って欲しいです。

フェルマーの最終定理には日本の数学者も一躍を買っていた

文系のイメージが強い日本ですが、実は数学者もたくさんいます。その中の2人、谷山豊氏と志村五郎氏が提唱した「谷山–志村予想」はフェルマーの最終定理の証明と大きく関係していたのです。

なお、「谷山–志村予想」とは、「すべての有理数体上に定義された楕円曲線はモジュラーである」という主張です。ええ。意味はわかりませんよね?わからなくても大丈夫です。世界の難問を証明するのに、日本人も関わっていたことがわかれば大丈夫です。

もっと、数学について関心を持ってくれるだけでも十分です。気になる方は調べてください。

数学が苦手な人でも楽しく読める

「谷山–志村予想」のように、専門的な知識がないとわからない記述もある本書ですが、全く理解できないわけでもなければ、難しいことは後半にちょっぴり登場するぐらい。そのほかは数学が苦手な人でもストレスを感じることなく読めるのでご安心ください。

なお、本来は証明されていない問題は「定理」ではなくて「予想」と言われるのですが、フェルマーに関しては敬意を込めて最初から「定理」という形だったそうです。今では「フェルマー・ワイルズの定理」とも呼ばれています。

フェルマーの最終定理以外にも難問はたくさんあります。ミレニアム懸賞問題もそうですし、問題を読むだけで意味のわからない問題もたくさんあります(笑)僕が生きている間に半分でも解決してくれたらいいなあと、なんとなく思っています。

それにしても、サイモンシン著作は素晴らしく、面白いものばかりです。翻訳者も素敵ですね。彼の有名な4作品は、すべてお勧めできます。

数学に興味があるなら、「数学系Youtuber」の動画をオススメします。頭の体操にもなりますし、小さな頃に苦手意識があったのだとしても、大人になってからなら楽しめます。

僕としては、高校受験ぐらいの問題がオススメです。普段、見ている動画をいくつか紹介しておきます。